ホテルのエントランスは改札の目の前にあった、駅直結のビジネスホテルは便利だ。
ビジネスホテルに泊まると楽しい。
ビジネスホテルの楽しみの1つはホテルの朝食だ。ビジネスホテルの朝食には独特のよさがある。ホテル宿泊者だけの落ち着いた空間、和・洋のメニューが入り乱れるバイキング、コーヒー、新聞を読む中年男性。何を醸せばあのような空間が出来上がるのだろうか。
駅中ホテルの朝食は隣のカフェ
電車を降りてすぐにホテルのチェックインを済ませた。なんといっても駅直結、駅からホテルへの移動がないことはこんなにも楽だ。
チェックインと同時に朝食の券をもらう。フロントの人が言うには
「朝食はホテルを出てすぐ左のカフェです。カフェに朝食券を出してください。」
そうか、「ビジネスホテル」の朝食はないのか。
この駅直結のビジネスホテルは、朝食を駅ナカのカフェにアウトソーシングしていたのだ。
アウトソーシング
企業が自社の業務を外部の専門業者などに委託すること。
コトバンク
翌朝、言われたとおりにホテルを出て駅のカフェに行った。そこは私が知っているビジネスホテルの朝食とは大きく異なっていた。
女性が多い。仕事に向かう前なのだろうか、女子高生もいる。男性は少なかった。
カフェにいた男性はスーツで、1人で朝食を取っていた。私と同じでビジネスホテルから来たのだろう。中年の男性は肩身を狭そうにしていた。私自身そのカフェに入ったときに居心地の悪さを感じたから、目に入った彼の気持ちを察することができたのかもしれない。
朝食券を店員に渡すと「ああ、ホテルの方ですね。お好きな席にどうぞ」と言われ、私は窓際の席に座った。窓際の席に座れたのは幸いだった。駅の狭いカフェで左右に人がいたら落ち着かない、窓は居心地の悪さを和らげる。
朝食はワッフルだった、はちみつをかけてコーヒーで流し込んだ。すぐにホテルに戻った。
部屋に戻り、朝食のアウトソーシングに苛立った。期待していたビジネスホテルの朝食ではなかったからだ。ビジネスホテルの朝食を駅のカフェにしてはいけない、そう思った。
時代の流れに柔軟に生きたい
だが一方で、時代の変化についていけない自分を情けなく思う。朝食が駅のカフェでも別にいいじゃないか、大したことじゃない。ホテルが調理場・調理スタッフを持たないことは、大きなコストダウンになる。すぐ近くにカフェがあるんだから、ホテルがわざわざ自前で朝食を出す必要はない。況してやビジネスホテルだ、朝食にこだわる必要はない。理にかなっている、朝食のアウトソーシングは時代の流れだ。朝食を駅のカフェにしたからこそ、駅構内の一等地にホテルができないのかもしれない。
老害とは既存のイメージが正しいと思い込み他者を批判することだと思う。時代の変化に対応できず文句を言ってると、老害になってしまう。
気をつけよう。ホテル朝食が駅のカフェだったぐらいでイラついているようではダメだ、時代の変化に柔軟に生きたい。
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