あしみのゲートウェイ

ひろいこころでコラムを書いています。

マスク無しではありがとうも言えない

ランチで入ったチェーン店にすごい店員がいた。

 

その店員は、私が店に入る前から私が店に入ることに気がついていて出迎えてくれた。

高級店でもないのに店の外の客の動きをしっかり見て客を出迎えるすごい店員なのである。

 

もう一度いうが高級店ではなくその辺にあるチェーン店である。店員と書いたがたぶん店長だろう。店員(バイト)でそこまでできるとは思えない。

 

 

私たちを席に案内した後も、店長は店に入る人を次々とを笑顔で迎え入れ、席に案内していた。

 

 

食事の最中、私の子供の粗相で困ってしまったときにもすぐに気が付いてくれて来てくれた。

客が「ちょっといいですか」という視線を出すだけで、気が付いて席に来てくれる店は本当にサービスの質が高い。

他の店員はまったく気が付いてくれなかったが、入口にいる店長は、私の困り顔に気が付いてすぐに席に来てくれた、とても助かる。

 

 

問題なのはここからで、そのとき私はすぐに来てくれて助けてくれた店長に「ありがとうございます」と言いたかったのだが言えなかった。

 

マスクを外していたのだ。コロナ禍の中で、私はマスクなしでは会話できない体になってしまったのだ。近距離でマスクなしで話すのはご法度である。

私はマスクをしないと他人と話せないのである。

 

 

食事中なので外していた。そのときにテーブルに無造作に置いていたマスクをすぐにつけてありがとうございますといえばよかったのだろうか。

 

だが私は店長の顔を見て軽く頭を下げることしかできなかった。

 

 

私は気配りのすばらしい店長にもっと感謝しているのだ。ありがとうございますと言いたかったのだが、言えなかった。

 

マスクなしでも感謝の言葉を伝えたほうが店長は気持ちがよく働けただろうか。

マスクなしで感謝の言葉をいい、飛沫を浴びせたほうが店長は気持ちがよく働けただろうか。

どちらがよかったのかは、店長に聞かないとわからない。

 

手元にあるおしぼりで口元を覆ってありがとうと言えばよかった、と今になって思ったが、そうだ、ここは手ごろな値段が魅力なチェーン店でおしぼりは配られてはいなかった。