ゴールドカードを作った。◯◯離れが深刻な現代の若者、「若者のゴールドカード離れ」「若者クレジットカード離れ」の例に漏れ、私は物心ついた頃からゴールドカードへの憧れを持っていたのだ。だってかっこいいじゃないかゴールドだぞゴールド。マリオカートで言ったら150ccだぞ。
憧れ
ゴールドカードを持っていると社会的地位が上がる気がする。社会的地位が高い人は海外旅行を楽しむ。ゴールドカードを持っていると、海外旅行をした際、手厚い保険がつくのだ。海外旅行というハイクラスなレジャーを楽しむハイクラスな層は、保険のためにゴールドカードを持っているのだろうか。ゴールドカードを持っているから海外旅行するのだろうか、いや、あるいは、海外旅行するためにゴールドカードを持ち、ゴールドカードを持ったから海外旅行できるハイクラスな収入と心の豊かさを手に入れるのだろうか。
私は海外旅行というハイクラスなレジャーを楽しむハイクラスな層ではないのでわからない。1つわかることは、私はパスポートを持っていないということだ。
年会費無料
自分が勤める会社のコネクションでゴールドカードをつくったので、年会費無料で作れた。
ゴールドカードは年会費が高い。なので私はゴールドカードへの憧れを持っているにしても、実際に作ろうと思うことはなかった。あくまで憧れの話であって、ゴールドカードの年会費を払う収入の余裕も心の余裕もない。パスポートも持っていない。
そんな中、ふとしたとき、耳にした「社員はゴールドカードの年会費が無料」。そう、無料なのだ。私が心で燻していたゴールドカードへの憧れは一気に顕在した。いや、ゴールドカードは燻さなくていいのだ。この前入った居酒屋の燻製が美味しかった。燻製を嗜むというハイクラスな嗜みを実行したことで私のステイタスがハイクラスに近づき、ゴールドカードを得るチャンスを引き入れたのかもしれない。燻製に感謝だ。
「社員はゴールドカードの年会費が無料」、私は燻製で得たこの言葉をきっかけに、即日申し込みを実施した。私のゴールドカードへの憧れは、年会費によって縛り付けられていたのだった。これで大きく飛躍できる、そんな気がした。
ポイント還元
とりあえずゴールドカードをつくってみたものの、取り急ぎ使い道がない。私は元からクレジットカードは持っており「クレジットカードは1枚あれば十分でしょ、複数枚あっても管理が面倒なだけ」と決め顔でいうような男だ。これまでのカードで支払っているものをわざわざゴールドカードに置換することも面倒だ。
そんな中でふと思った「ポイント還元・・・」私がこれまで使っていたクレジットカードはポイント還元率が0.1%とか0.15%ぐらいだった(購入商品・サービスによって異なっていた)。
ゴールドカードのポイント還元率を確認した。計算した。0.3%とか0.4%も還元されるのだ。こいつはすごいぞ。年間使用金額に応じて更にドン!というボーナスステージもあるようだ。私はたぶん今3−2あたりにいるので、ボーナスステージはまだまだ先だ。ワールド1でワープゾーンを見つけられなかった3流の人間なのだ。もしワールド1でワープゾーンに乗っていたら、今頃6−4あたりかもしれない(ワールド1のワープゾーンを見つけたからといって、ワールド4にあるワープゾーンを見つけるとは限らない)。1流の人間はワープゾーンで一気にワールド8まで行くのだ。
私はそっとAmazonに登録しているクレジットカードを変更した。
虚無
ゴールドカードをつくってから数週間が経った。お店のレジに始めてゴールドカードを出すとき、ちょっとドキドキしていたのだが何も変わらかった。これまで使っていたカードを出したときと何も変わらなかった。
このゴールドカードが年会費無料で作ったことを店員に見ぬかれたのだろうか。確かに私はそのとき、髪はぼさぼさでシャツもよれよれだった。ゴールドカードのステイタスに私のステイタスがついていけてないのだろうか。私が憧れたゴールドカードというのはこんなものだったのだろうか、やはり年会費無料で作ったのがいけなかったのだろうか。
ハイクラスでラグジュアリーな層はゴールドカードの年会費を惜しまず、ハイクラスでラグジュアリーなレジャーを楽しんでいるのだろうか。やはり、私にはわからなかった。ゴールドカードで私の生活は変わるのだろうか、今後も調査を継続する。
追記
ブックマークコメントで還元率についての指摘をいくつか頂きました(id:underd さん、id:suzukidesu23 さん、id:redpants さん)。
私がこれまで使っていていたカードと、新たに作成したゴールドカードの還元率を改めて確認しました。結果、私が「当記事掲載時に記載した還元率」「underdさんのブコメを見て修正した還元率」共に誤っていました。お詫び申し上げます。
正しくは、元々持っているカードが「1.0%とか1.5%」、新たに作成したゴールドカードが「0.3%とか0.4%」となります。
記載誤りの経緯を説明いたします(※記事の文章を直しても混乱を招くだけなので、現在の記事内の還元率は記事掲載当初の状態にしています)。
1.記事掲載時
元々持っていたカード「0.1%とか0.15%」と記載(誤り)
新たに作成したゴールドカード「0.3%とか0.4%」と記載(正しい)
これに対し「そのポイント還元率は何かの間違いかと」というブコメをもらいました(underd さんから)。コメントを「還元率が低すぎる」と解釈した私は、計算で桁間違いをしたと安易に思い込み、以下のように修正しました。
2.修正後
元々持っていたカード「1.0%とか1.5%」と記載(正しい)
新たに作成したゴールドカード「3.0%とか4.0%」と記載(誤り)
これに対し、「還元率高すぎないか?」という意のブコメをもらいました。クレジットカードの還元率の相場を確認してみると、確かに3.0%とか4.0%は高すぎるようです。
3.正しい還元率
追記冒頭でお伝えした通り、私が持っているカードの正しい還元率は以下です。
元々持っていたカード「1.0%とか1.5%」
新たに作成したゴールドカードを「0.3%とか0.4%」
私の作成したゴールドカードは、私の想像(元々持っている年会費0円のカードの還元よりも、ゴールドカードの還元の方がが当たり前に高いだろう)を裏切り、かなり低い還元率でした(年間使用額を上げたり、通販のときにポイントサイトを経由することで、もう少しは上がりそう)。
「1.記事掲載時」では、ゴールドカードの還元率は正しく計算できていました。しかし「ゴールドカードの還元率の方が当たり前に高い」という思い込みから、元々持っていたカードの還元率の桁を誤って記載しました。
「2.修正後」では、還元率の桁間違いと勘違いし、どちらのカードの還元率も1桁上げて記載しました。皮肉にも、この修正で元々持っていたカードの還元率は正しくなりました。
今とても悲しいです。
Amazonに登録しているクレジットカードを、元々持っていたクレジットカードに戻そうと思います。